香港の台風!台風が来ると浮足立つ若者たちと台風被害

香港に台風が直撃するというのは、香港人にとってはとても日常的なイベントです。香港人の台風に対するイメージや考え方は、日本人のそれとはまったく異なります。香港に10年近く暮らした経験から、香港の台風にまつわることを書いてみました。


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香港の台風警報「シグナル」


香港に台風が接近すると、気象台から台風警報が発令されます。「シグナル」と呼ばれるもので、その強さや危険性を数字で表します。

シグナル1・・800km圏内に台風接近中 (シグナル2はなし)
シグナル3・・台風がさらに接近、風速41~62km/1時間*瞬間最大風速110km/1時間 (シグナル4~7までなし)
シグナル8・・台風の暴風域が接近、風速63~117km/1時間*瞬間最大風速180km/1時間以上
シグナル9・・台風の影響は更に大きくなる
シグナル10・・暴風域内

引用元;台風や大雨の警報について


香港の台風が与えうる被害


香港に台風が与える被害は、半端なものではありません。局所的な大雨により、水はけの悪いところや、ちょっとした低地にある道路では、あっという間に浸水してしまいます。

住むところによっては、家の周りが水たまりで外に出られない、通勤経路にあるトンネルが浸水して会社に行けないなどということも頻繁に起こります。

雨の被害も大きいですが、それよりも大変なのは風です。特に雨風がひどい時は、外をある国も傘は風で変形してしまい、役に立ちません。

ご存知の通り香港は道幅も狭く、道路に店や会社の看板が大きくせり出しています。あれらの巨大な看板は、台風が来るとたちまち脅威になります。風によって、大きな看板が吹き飛ばされて、近くのビルのガラス窓を突き破ることも少なくありません。

美しいネイザンロードの街路樹も、大風によってなぎ倒されることもしばしばです。台風一過のあとは、まさに街に台風の「爪痕」がまざまざと刻まれているという感じになります。

「シグナル8」でほとんどの会社員は「自宅待機」


それだけの被害をもたらす台風ですから、香港人はかなりシステマチックな対応をします。

台風が接近するとまず、「シグナル1」が発表されます。これは、テレビのテロップや、ショッピングモールの入り口、地下鉄の駅改札口など、あちらこちらに提示されます。最近ではスマホを使って、気象庁からの警報情報をいち早く入手するのが、流行です。

台風被害が大きくなってくると、「シグナル3」に引き上げられます。このシグナル3では、一部のフェリーが欠航になります。

なぜかシグナル4~7まではなくて、3の次はいきなり8になります。「シグナル8」になると、バス路線のほとんどと一部の電車が運航休止になります。学校はすべて休学となり、会社員は自宅待機となります。つまり、銀行や政府機関もすべて閉まります。


「シグナル8」が出ると出勤しなくても良い


香港は、イギリス植民地時代の影響から、労働者の権利がきちんと保証されている地域です。「シグナル8」になると、基本的に、雇用主は従業員を会社に出勤させることを強要できません。これは、通勤途中に「命の危険」があるからです。無理に出勤させて何か事故が起きた場合、通常の保険では補償されませんから、雇用主にとっては面倒なことになります。

香港気象庁は、「シグナル8」を出す前にその「予告」をします。例えば、「今日の午後2時にシグナル8にするかもしれませんよー」という風に知らせるわけです。気象庁がいったん「シグナル8を出すかもしれないよ」と言ってから「やっぱり、やーめた」となったケースはないので、つまりこれは「確定」なんです。

このように、街の人々は、数時間前にシグナル8になることを知らされますので、その準備を着々と行います。それが出勤前なら、「あと〇時間でシグナル8になるから、今日は出勤しない」となるし、出勤した後なら、「今日はシグナル8だから、〇時で終わり!」となり、そそくさと退社準備をはじめます。


娯楽業界はシグナル8でも忙しい?


シグナル8の予告が出ると、そそくさと退社の用意を始める会社員たちですが、そのまままっすぐ帰宅するとは限りません。

大体、シグナル8の予告が出た時点で、「〇時にどこで待ち合わせ」とか「どこ行く?」などと、SNSでやりとりし始めるのが都会に住む香港人です。

その台風の規模や距離によりますが、シグナル8が出たからと言って、すぐに命の危険にさらされるような大風大雨とは限りません。時には「これで本当にシグナル8?」というくらい、穏やかな(?)シグナル8もあります。

会社を堂々と早退できるシグナル8は、彼らにとって「ラッキー」という感じのもので、友達とレストランに食事に行ったり、バーに行ったりカラオケに行って遊ぶ若者も少なくありません。

これら娯楽産業の会社も、シグナル8では従業員を家に帰さなくてはいけないので、通常なら営業しません。しかし最近は、従業員と特別な雇用契約を交わしている会社もあり、シグナル8でも通常営業をしているところも増えてきました。

他の競合店が閉まっているので、シグナル8で営業していると、大忙しになることもあるようです。


シグナル8を超えると本気で危険


台風警報はその状況によって、シグナル8を超えると気象庁の判断で9、10・・・とどんどん数字が大きくなります。2013年の9月に猛威を振るった、大型台風19号(香港では「ウサギ」と呼ばれていました)が香港に接近した際、私の記憶ではシグナル15まで出たような…(うろ覚え)。

シグナル8が発令されると、基本的には地下鉄以外の交通機関はすべてストップします。香港の地下鉄(MTR)の路線でも、地上に出ている路線部分では運航休止になることがほとんどです。

また、運行中でも事故や故障などにより突然電車が止まり、台風の中、車内に乗客が数時間閉じ込められたこともありました。

さらに、シグナル8の状況では、タクシーも極端に台数が少なくなります。しかも通常料金の倍以上、ぼったくられます。

ですから、香港にいる時に台風シグナル8の情報を得たら、なるべく早く宿泊施設へ戻ることをオススメします。

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