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喜ぶべき?キューバとアメリカの国交回復2015年7月20日

キューバ

カリブ海に浮かぶ島国、キューバ。明日、アメリカのマイアミから首都ハバナまで、飛行機でたった45分の距離にありながら、54年間途絶えていた2国間の国交が正常化されます。キューバ、アメリカ、そして私たち旅行者にとって、これは喜ばしい事なのでしょうか・・・。

キューバ―とアメリカ


今月初めの発表で、アメリカのオバマ大統領は、7月20日をもって、キューバとの国交を回復するとして、キューバにアメリカ大使館を設置する意向を表しました。

 

まず、キューバとアメリカの歴史を振り返ってみましょう。

キューバは長年スペインの統治下にありました。キューバがスペインから独立する際、それを援助したのがアメリカでした。ちなみに、このときアメリカ兵がハバナのあるバーで「キューバ、万歳!」と叫んで飲んだカクテルが「キューバリブレ」です。

しかし、スペイン支配からの解放は、実際はスペインをアメリカが打ち負かした状態であり、キューバはスペインから独立したと同時に実質的にアメリカの支配下に置かれるようになりました。

その後、キューバには多くのアメリカ資本が参入し、キューバの製糖産業など主要な産業をアメリカ企業が支配することになります。その結果、キューバ国民の不満が高まり、若者たちが蜂起しアメリカから実質的な独立を目指すようになりました。この時に活躍したのが、フィデル・カストロとチェ・ゲバラたちです。

キューバ革命から、2014年まで


彼らは革命政権を設立した後、アメリカ資本に牛耳られていた農地や産業を国の物とし、社会主義国家の建設を推進していきました。この時、多くの裕福層であったキューバ人が、アメリカなどに亡命しています。

当時、アメリカとソ連の冷戦状態が深刻で、アメリカに敵視されたキューバはソ連との正式な外交関係を結びました。これが決定的になり、1962年アメリカのケネディ大統領は、キューバとの輸出入を全面禁止します。ここからキューバに対するアメリカの経済封鎖が始まりました。同年、キューバ危機も起こっています。

それから50数年後の2014年、バラク・オバマ大統領は、キューバとの国交正常化を目指すと発表し、2015年1月以降、条件的にアメリカ人のキューバ渡航を認めています。

キューバ・アメリカの国交正常化は何をもたらすか


いよいよ明日、正式にキューバとアメリカの国交が正常化するわけですが、これは何を意味するのでしょうか。

アメリカ人観光客の増加やアメリカ企業の参入により、キューバの経済は大きく発展することは間違いないでしょう。しかし、専門家によれば、キューバには、まだそれだけの流入に対応できるだけのインフラが整っていないといいます。

実際、観光を取り上げても、宿泊施設から、レストラン他レジャー施設、英語を話せる観光業関係者にいたるまで、何もかも不足している状態だといえます。

今現在、すでに、キューバへの観光客は飛躍的に増加しています。これは、キューバが「アメリカ化」する前に、キューバの良さを楽しもうとしている観光客の心理が働いています。

分かりやすい例を挙げれば、キューバ人はいまだに60年代以前のアメ車を修理して使用しています。アメリカとの外交が途絶える前にキューバに持ち込まれた車ですね。

しかし、当然、今後アメリカや他先進諸国の自動車産業が入ってくれば、日本製や韓国製の最新車にとって代わるでしょう。

 

私は、キューバには2度訪れたことがあります。あの「キューバらしさ」が失われる前に、もう一度行っておきたいと、自分でもそう思います。