私はバックパッカーとして、女性ひとりの海外旅行に行くのが好きです。できるだけ安く長く旅行するために、ゲストハウスのドミトリーをよく利用します。ドミトリーは女性専用の部屋もあれば、男女混合の部屋もあります。女性がひとりでも安全に旅行するための、ドミトリー活用法をまとめてみました。
ドミトリーってどんなところ?
ホテルやゲストハウスの宿泊施設のスタイルとして、シングルルームやツインルームがありますが、そのほかに「ドミトリー」という部屋があります。
ドミトリーは、大勢で部屋を共有するスタイルです。だいたい大部屋に複数のベッドが設置されていて、ベッドごとに宿泊料金が決まっています。
通常、トイレやシャワーは共同で使います。
ドミトリーの魅力は、まずその料金の安さです。国によっては1泊数百円で泊まれることもあります。私の経験上一番安いドミトリーは、中国雲南省で1ベッド1泊10元(当時のレートで130円くらい)でした。今はもっと料金が高くなっていると思います。
しかも、ドミトリーによっては、とても清潔で快適なところもあります。料金が安いからといって、清潔感や安全感が大きく劣るということはありません。
また、世界中のバックパッカーとの交流ができる場所でもあります。旅慣れた人は、ドミトリーで出会った旅行者と情報交換をして旅を続けます。
ドミトリーを予約する
最近は多くのゲストハウスがネットでの予約を受け付けています。
http://www.hostelworld.com/
http://www.hostelbookers.com/
ドミトリーの部屋は一部屋に収容できる人数によって、料金が異なります。一般的に、収容できる人数が大きければ安く、女性専用室よりも男女混合室のほうが安くなります。
ネットでドミトリー予約を受け付けているゲストハウスの中には、実際に現地に行ってみると、予約した部屋と違う部屋に泊まらされる部屋があります。クレームをつけると「その部屋しか空いていない」と言われることもあります。中には、悪質なゲストハウスもありますので、注意が必要です。
ネットでドミトリーを予約するときに失敗しないためには、他の宿泊者レビューをよく読むことです。中にはサクラのレビュー記事もありますので、レビュー数が多いところほど信頼できます。
飛び込みでドミトリーに泊まる
飛び込みでドミトリーにとまる場合、男女が分かれている部屋か、男女混合の部屋か確認しましょう。男女兼用の部屋の場合は、収容人数を確認します。
ゲストハウスによっては、信じられないことに男女兼用室で3人部屋というケースもあります。最悪の場合、見知らぬ男性2人と自分ひとり女性という状況で、同じ部屋に泊まることになりかねません。
私は、一人旅の場合、男女兼用部屋は6人以上の部屋でなければ宿泊しません。少し高くついても、女性専用部屋にします。
ドミトリーにチェックインする
ドミトリーは、2段ベッドが設置されていることがほとんどです。チェックインの際に、空いていれば上段か下段が選択できます。
上段と下段のベッドでは、下段のほうが居心地がよいです。わざわざはしごを上る必要もないし、荷物の置き場も広いスペースが確保できます。ですから、できれば下段ベッドを指定したほうがよいのですが、注意したいのは、その前に女性専用室か男女混合か確認することです。
女性一人で男女混合部屋に泊まる場合は、2段ベッドの上段を指定することをオススメします。ドミトリーで見知らぬ男性に襲われた、という経験はないのですが、やはり女性として、上段ベッドの方が安心できます。
ドミトリーはネットで確認するのがおすすめ
ドミトリーにもピンきりがあります。安全、快適に旅行するためには、情報収集が大切です。世界のバックパッカーの多くが、ネットでゲストハウスを検索しています。彼らのレビューを参考にしながら、評判の良いドミトリーを選択しましょう。
たとえ、飛び込みでドミトリーをとるにしても、事前にネットで評判を確認しておくと安心です。
また、ネットからの予約では、自分自身がレビューを書くこともよくありますよね。ゲストハウスにしてもネガティブはレビューは書かれたくないので、ネット予約の宿泊者を丁寧に扱ってくれるように感じます。
私がパナマで、あるゲストハウスのドミトリーに泊まったときのことです。
ゲストハウス検索サイトからネットで予約したのですが、ある日、ゲストハウスの受付 (レセプション)の男性スタッフと口論になりました。
彼の態度が気に入らなかった私は、ネット予約時に受け取ったゲストハウスのマネージャーからの予約確認メールに返信して、クレームのレターをメールしました。すると、その女性マネージャーは、飛ぶようにゲストハウスにやってきて謝罪してくれました。
このときのクレームのレターで、私は「この不愉快な経験をレビューとして書かなくてはならないのは残念です。他のスタッフの方はとても親切だったので・・・」というような趣旨のことを書いたんです。
ちょっと、脅しているみたいにも聞こえますか? でも、そのおかげでその後は快適に過ごせました。
ドミトリーにはいろんな人が泊まる
ドミトリーにはいろいろな人が宿泊します。どんな人がルームメイトになるかで、旅の快適さが変わることもあります。
中には、うるさい人もいるし、胡散臭い人も、寡黙な人もいます。でもいろんな人と出会う機会があるからこそ楽しいのだと思います。
ただし、同室の人が、万一、不法なもの(薬物など)に手を出していたら、理由を言わず静かに部屋を変えてもらうほうがよいでしょう。もし、現場に警察が入ってくれば、あなたも一緒に連行される可能性があります。
荷物には鍵をかけるかロッカーに入れる
ドミトリーでの荷物管理は自分の責任です。同室の人とどんなに親しくなっても、気を許してはいけません。
自分の荷物には、鍵をかけるかロッカーに入れるようにしましょう。ゲストハウスによってはロッカーが用意されています。パスポートなどの貴重品は常に身につけておきます。
ベッドバグに気をつけて
ゲストハウスのベッドの中にはベッドバグがついているベッドがあります。ベッドバグというのはベッドのマットレスの中や表面に住む虫の一種で、バックパッカーの天敵です(笑)。
ベッドバグは、住んでいるベッドから自分では移動できません。旅行者の衣服やかばんにくっついて移動します。
このベッドバグの住むベッドが割り当てられたら、悲惨です。夜、かゆくて眠れなくなるなります。
ベッドバグを避けるには、回転率の悪そうな(つまり、暇そうな)ゲストハウスには泊まらないことです。回転率が高くてもベッドバグにあたることはありますが、確率は多少低くなります。
もうひとつ気をつけたいのは、ベッドの上にバックパックなどの荷物を置かないことです。ベッドバグは、旅行者の衣服やかばんにくっついて移動します。ですから、万が一ベッドバグにあたったとしても、かばんをマットレスにおかなければ、ベッドバグを連れて移動する可能性は低くなります。
私の友人には、生まれて初めてのドミトリーで、ベッドバグのいるベッドに当たってしまい、そのまま日本の自宅まで連れ帰ってしまった女性がいます。ベッドバグは一度マットレスに住み着いてしまうと、取り除くのは困難ですので、くれぐれも持ち帰らないように気をつけましょう。
ちなみに、私自身は幸運なことに、ベッドバグの被害にあったことはありません。
ゲストハウスでのアバンチュールはほどほどに
もうひとつ、女性としてアドバイスしたいのは、男女関係のことです。
男女混合のドミトリーでなくても、ゲストハウスに泊まっていると、初対面の男性からお誘いを受けることがあります。日本人女性はどこに行ってもモテます(笑)。特にひとりでいるとモテます。
もちろん、そこから本当の恋愛に発展することもあります。見ていると、欧米人同士は、適当にゲストハウスでのアバンチュールを楽しんでいる人もいます。でも、私は個人的には、そのような行為にはあまり賛成できません。
避妊は気をつけていればできますが、危険なのは「病気」です。その時は楽しくても、帰国してから、感染に気づくことだってありえます。
いくら他の欧米旅行者が開放的であっても、そこは自己責任ですので、ほどほどにしましょう。
ドミトリーは泊まってみれば病み付きになる
ドミトリーは安く旅行できるだけでなく、世界中の旅行者と知り合う機会にあふれた場所です。その醍醐味は一度味わうと病み付きになりますよ。
ここに挙げたポイントを抑えていれば、女性一人旅のドミトリーでも、かなり安全に楽しめるはずです。気を引き締めるポイントではしっかり引き締めて、旅行を楽しんでくださいね。