スポンサーリンク

熱帯地方旅行は注意!蚊に刺されることで感染する病気(感染症)のまとめ

南米で流行ってるジカ熱の感染者が香港でも発見され、アジアにもジカウイルスが広がる恐れがあります。ジカウイルスは感染しても症状が比較的軽く、生命を危うくする重大な病気ではありません。しかし、退治の先天性障害との関連性が指摘されていますので、妊娠中や妊娠予定の女性にとっては、しっかりとした対策が必要な感染症です。

ジカ熱は蚊を媒介者として感染しますが、蚊によって感染する病気は他にもたくさんあり、ジカ熱よりもはるかに症状が重いものもあります。この機会に、蚊によって感染する病気に対する理解を深め、安全な旅行のための基本的対策を確認しておきましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク




蚊に刺されると感染する病気

熱帯地方旅行は注意!蚊に刺されることで感染する病気(感染症)のまとめ

蚊を媒介者として感染する病気は多く、「蚊媒介感染症」と呼ばれています。これらは、ウイルスや原虫などの病原体を持った蚊が、ヒトを吸血することで感染する感染症です。

具体的には次のような感染症がよく知られています。

  • 日本脳炎
  • デング熱
  • チクングニア熱
  • ウエストナイル熱
  • ジカウイルス感染症(ジカ熱)
  • 黄熱
  • マラリア

日本脳炎やジカ熱などは、最近ニュースでも話題になっているので、聞き覚えがある人も多いでしょう。

日本脳炎(Japanese encephalitis)

子供のころ、予防接種を受けた記憶がある人も多いのではないでしょうか。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。潜伏期は6日から16日間とされ、突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。

日本脳炎ウイルスに感染しても発症するのはごくわずかで、感染者の発症率は0.1%から1%と推定されています。

発症してからの治療方法は対症療法のみで、抗生物質は効果がありません。致死率は30%程度ですが、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。

ワクチン接種により、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。

日本では、1960年代に年間1000人程度の患者が発生していた病気ですが、その後ワクチン接種を積極的に広めることにより、大きく減少しています。しかし、現在でも発症者はゼロではなく、2013年には三重県で70代女性、2015年には千葉県で25年ぶりの患者が発生したと報告されています。

デング熱(dengue fever)

ウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカ(ヤブ蚊)などに刺されることで感染します。

アフリカ、アメリカ、東地中海、東南アジア、西太平洋の熱帯・亜熱帯地域でみられる感染症です。日本でも輸入症例だけでなく国内発生例も報告されています。

第二次世界大戦以降、世界的に広まった感染症で、1960年以降急激に増加しています。感染者のうち70%がアジアで、インドは全世界の34%を占める世界一の感染者数を持つといわれています。

デング熱ウイルスを持っている蚊に刺されると、2~14日(通常3~7日)の潜伏期間の後、およそ20~40%の人に発症します。致死率はインフルエンザよりも低く、すぐに生命を脅かす感染症ではありません。

デング熱の症状は、38~40℃の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹(治りかけたとき)が現れます。発熱を伴う筋肉や関節などの痛みは激しく、英語ではBreak bone feverとも呼ばれています。通常、3~5日で解熱します。

デング熱を起こすウイルスは複数存在しており、同じ型のウイルスに再び感染しても免疫によって軽症ですみます。しかし、異なる型に感染すると免疫が過剰に働き重症化することがあります。重症化したものはデング熱出血熱またはデングショック症候群と呼ばれ、稀に死亡することもあります。

ワクチンやウイルスを標的とした治療法はありません。予防法としては蚊に刺されないようにすることです。デング熱に対する特別な治療法はなく、対症療法で行われます。

デング熱ウイルスに感染すると、血小板が低下し、出血を起こしやすくなります。そのため、通常使用される鎮痛・解熱剤は使わず、小児にも使われるアセトアミノフェン(海外ではパラセタモールとも)を使用するのが一般的です。

チクングニア熱(Chikungunya fever、CHIKV)

チクングニア熱はかつてアフリカやアジアの熱帯・亜熱帯で主に流行していた感染症です。「チクングニア」とは、アフリカの現地語で痛みによって「かがんで歩く」という言葉に由来します。

しかし、最近ではヨーロッパやアメリカ大陸にも感染者が広がり、年々患者数が増加しています。

チクングニア熱ウイルスを持っている蚊に刺されると、潜伏期間は2~12日(通常2~4日)で、その後に、発熱、関節炎、発疹がみられます。頭痛や結膜炎の症状がみられたり、出血しやすくなることもあります。死に至ることは稀ですが、年齢によっては関節の痛みが月単位、年単位で続くことがあります。

チクングニア熱に有効とされるワクチンや予防薬は未だなく、虫除け対策が唯一の予防法です。

ウイルスに対する特別な治療薬はありません。症状に応じた対症療法が行われます。デング熱と同様に、出血しやすくなることがあるため、サリチル酸系の解熱・鎮痛剤の使用は控え、アセトアミノフェンを使用します。

ウエストナイル熱(West Nile fever)

ウエストナイルウイルスを持つ蚊(イエカ、ヤブ蚊)に刺されることで感染します。

アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、西アジアなど広い地域に分布している感染症です。北米では、1999年に初めてニューヨーク市周辺で流行が確認されました。2003年にはアメリカ合衆国で9862人の患者が確認されています。

潜伏期間は通常2〜6日で、発症率は20%です。主な症状は、軽症では発熱、頭痛、筋肉痛、発疹、リンパ腫症などがみられ、短期間(1週間程度)で回復します。重症になると、頭痛、高熱、方向感覚の欠如、麻痺、昏睡、震え、痙攣などの脊髄炎・脳炎症状が現れます。

感染者の0.6~0.7%がウエストナイル脳炎を起こすといわれており、激しい頭痛・高熱・嘔吐・精神錯乱・筋力低下・呼吸不全・昏睡、不全麻痺・弛緩性麻痺など多様な症状を呈し、重症患者の3~15%の致死率で死に至ることもあります。

日本では、2005年9月に米国カリフォルニア州ロサンゼルスから帰国した30歳代の男性会社員が川崎市立川崎病院で診察を受け、国立感染症研究所での血液検査をした結果、日本初のウエストナイル熱患者と診断されました。

参考:米国から帰国したウエストナイル熱患者の輸入感染症例について

ウエストナイルウイルスに対する有効なワクチンはありません。特別な治療法もないため対症療法が中心となります。

ジカウイルス感染症/ジカ熱(Zika fever)

ジカ熱は、2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で流行したのが確認され、2015年から南米で大流行しています。

ジカウイルスを持っている蚊に刺されてからの潜伏期間はだいたい数日から1週間とみなされています。ただし、半数以上のケースで、自覚症状がないか、あっても軽いので自分か感染していることに気づきにくい病気です。

主な症状は、軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛などです。その症状も蚊で感染する点も、デング熱やチクングニア熱と似ていますが、発熱などの症状はデング熱と比べるはるかに軽いです。

ただし、妊娠中にジカウイルス感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害などが起こる可能性が高くなると言われています。そのため、妊娠中や妊娠の可能性がある女性は、流行地への渡航を避け方が望ましいです。

現在有効な薬剤やワクチンはなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。

2016年8月25日、香港政府の発表によると、ここ最近南米で流行しているジカウイルスの感染者が香港で確認されたということです。香港で感染症と...

黄熱(yellow fever)

熱帯アフリカと中南米で流行している感染症です。

潜伏期間は3~6日で、突然の発熱、頭痛、背部痛、虚脱、悪心・嘔吐といった症状が現れます。発症後3~4日で症状が軽快し、そのまま回復することもありますが、重症になると数時間から2日後に再燃し、発熱、腎障害、鼻や歯根からの出血、黒色嘔吐、下血、子宮出血、黄疸などがみられることがあります。

黄熱には有効な予防接種があり、黄熱の予防接種証明書を携帯していないと入国できない国や、予防接種証明書の提示を求められる国がありますので、渡航前に確認しておきましょう。参考:黄熱予防接種の推奨地域

黄熱の予防接種は、以前は接種から10日後より10年間が有効期間とされていましたが、2016年7月11日、WHOは生涯有効であるとして勧告しています。つまり、予防接種を一度受けた人は、その効果が生涯継続するものという認識で大丈夫そうです。

ちなみに、日本の細菌学者である野口英世氏も、この黄熱で亡くなっています。黄熱病の研究中に自身も感染し、1928年ガーナで死去されました。

マラリア(malaria)

熱帯から亜熱帯に広く分布する熱病で、マラリア原虫(寄生虫の一種)の感染によって起こる原虫感染症です。ハマダラカなどの蚊がこの原虫を媒介します。マラリアは、マラリア原虫により赤血球が破壊される、恐ろしい病気です。しかし、現在は予防も治療も可能な感染症です。

マラリアに感染すると、潜伏期化は10日ほどで、38度以上の発熱や倦怠感といったインフルエンザに似た症状が出ます。熱帯熱マラリア以外のマラリアでは、潜伏期間が10~30日と長期になることもあります。

発熱後しばらくするといったん熱は下がりますが、その後48時間毎か72時間毎に発熱することが多いです。ただし、熱帯熱マラリアでは周期性がない場合もあります。

症状が進行すると、貧血、黄疸、腹部の腫れ、血小板も減少が起こり、悪性の場合は脳マラリアによる意識障害や腎不全などを起こし死亡することもあります。

マラリア流行地域から帰国後に発熱がある場合は、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。マラリアにはワクチンがありませんが、内服薬により予防することが可能です。

熱帯地方では虫よけ対策を!

熱帯地方旅行は注意!蚊に刺されることで感染する病気(感染症)のまとめ

以上、蚊に刺されることで感染する主な病気でした。どの感染症にしても、予防策としては蚊に刺されないことが大切です。流行地域に対する知識を深め、長袖長ズボンの着用、虫よけスプレーなどの利用などで、感染症予防を行うようにしましょう。