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香港で初めてのジカウイルス感染者!ついにジカ熱がアジアに広がる可能性?

旅の安全

2016年8月25日、香港政府の発表によると、ここ最近南米で流行しているジカウイルスの感染者が香港で確認されたということです。香港で感染症というと2003年のSARS流行を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

ジカ熱というと遠く離れたアメリカ大陸で流行しているもの、という印象がありましたが、今後はアジアでも油断できない状況になりそうです。

ジカウイルス感染者が香港で発見

今回の香港での確認されたジカウイルス感染者は、38歳の女性です。今月20日から関節の痛みや目の充血を訴えしていましたが、発熱はありません。23日、個人病院の外来に訪れたものの入院は必要とされなかったといいます。

ところが、25日になって衛生防護センターで血液及び尿検査を受けた結果、ジカウイルスに対する陽性反応が確認されました。現在は、香港内の病院に隔離されており、感染者の状態は安定しているということです。

感染者は8月6日から20日まで、カリブ海のサン・バルテルミー(Saint Barthelemy)島を訪れ、22日に香港に帰国。カリブ海地域に訪問中に蚊に刺された覚えがあると本人は語っています。ただし、旅行の同行者には症状が出ていません。

ジカ熱について

ジカ熱は、2015年から南米での大流行が認められ、特に妊娠中にジカウイルス感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害などが起こる可能性が高くなると言われています。そのため、妊娠中や妊娠の可能性がある女性は、流行地への渡航を避け方が望ましいです。

また、蚊を媒介者として感染するケースが多く、男女にかかわらず流行地へ渡航する人は、蚊に刺されないような対策も必要です。

現在は南米(米国でも感染者が確認されています)での流行が大きく取り上げられていますが、ジカ熱は以前からあり、最初の流行は、2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で発生しています。

アメリカ大陸で流行し始めたのが2015年12月からです。2015年のものは、WHOにより「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が宣言される事態に発展しています。

ジカウイルスに感染するとどうなる?

ジカ熱は蚊を介して感染されます。ジカウイルスを持っている蚊に刺されてからの潜伏期間ははっきりとしていませんが、だいたい数日から1週間とみなされています。半数以上のケースで、自覚症状がないか、あっても軽いので自分か感染していることに気づきにくい病気です。

主な症状は、軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛などです。その症状も蚊で感染する点も、デング熱やチクングニア熱と似ていますが、発熱などの症状はデング熱と比べるはるかに軽いです。

現在有効な薬剤やワクチンはなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。

ジカ熱に感染しないための予防法

ジカウイルスは蚊により感染しますので、蚊に刺されないようにすることが第一の予防法です。ジカウイルスが流行している地域へ行く場合は、長袖を着用し肌をなるべく露出しないようにしましょう。

肌の露出した部分や衣服には、昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに使用します。昆虫忌避剤は、ディート(DEET)やイカリジン等の有効成分が含まれているものを選び、確実に効果のあるものを使用したいですね。

室内では、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用するのがおすすめです。

また、規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつけることも大切です。

特に女性は注意したいジカウイルス

先にも書きましたが、ジカ熱の症状はそれほどひどいものではありません。同じ蚊を媒介者として感染する病気では、テング熱の方がはるかに症状が重く死に至ることもあります。

ただし、妊娠中にジカウイルスに感染することで、小頭症等の先天性障害が起こりやすくなるといわれており、妊娠中の女性や妊娠を予定している女性は、流行地域への渡航は避けるべきです。

また、性行為によって感染したという事例もあり、流行地域へ行く場合は性行為を控えるなどの対策を行う方が望ましいとされています。
参考:「ジカウイルス感染症について」厚生労働省

アジア旅行の際には蚊にさされないように

ジカ熱は妊娠を予定している女性にとっては深刻な感染症です。しかし、それ以外にもテング熱やマラリアなど、蚊を媒介者として感染する病気は多く注意が必要です。

特に東南アジアなどの熱帯地方を旅行する場合には、できるだけ蚊に刺されないように対策を行うようにしましょう。

また、ジカ熱流行地域で蚊に刺された覚えがあり、その数日後に軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛等の症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診してください。