英国のエリザベス女王はカナダやオーストラリアの女王でもある

普段日本にいるとあまり気になりませんが、というか、海外にいてもあまり気になりませんが、英国のエリザベス女王は、英国だけの女王ではありません。じつは、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど、計16か国の君主を務めています。どうしてエリザベス女王はカナダでもオーストラリアでも女王なのか、気になって調べてみました。

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英国の女王エリザベス2世

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photo credit: The Queen as she departs Rome via photopin (license)

2015年の7月現在、英国すなわちグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の君主はエリザベス2世女王です。1952年2月6日に即位しました。それと同時に、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの国王としても君臨することになりました。

現在では、その4か国(イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)に加えて、ジャマイカ、バルバドス、バハマ、グレナダ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバル、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、ベリーズ、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビスの16か国の女王ということになります。

しかし、それらの国々は、現在イギリスの植民地というわけではありません。あくまでも、共通の国家元首(エリザベス女王)をいただく、独立国家として存在しています。

カナダとエリザベス女王

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カナダは昔、イギリスの植民地でした。植民地ということは、まさにイギリス国王がカナダを統治していたということです。

しかし、アメリカ独立戦争の勃発から、独立戦争後にかけて、アメリカによるカナダ併合の危機が高まりました。その対応策として、イギリスは、1867年に自治領カナダ政府を成立させます。これにより、カナダは英連邦の下にありながら自治権を持つことになります。ただし、この時にはまだ外交権は与えられていませんでした。

その後、カナダが実質的な独立国となったのは、1931年のことです。この時の英国議会で提唱されたウェストミンスター憲章によって、カナダをはじめとする英連邦諸国は英国と対等であり、共通の国家元首(英国君主)に対する忠誠心で結びついているだけであると決議されました。

オーストラリアとエリザベス女王

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オーストラリアとエリザベス女王の関係も、ほぼ似たようなものです。オーストラリアもかつてはイギリスの植民地でした。カナダにやや遅れて、実質的に国家として独立したのは1942年になります。

しかし、その後オーストラリアでは、独立国家でありながら、外国人であるエリザベス女王を国家元首にしているのはおかしいとする風潮もあります。いつまでもイギリスの女王を国家元首としておく必要はないという考え方です。

そして、共和制への移行を国民に問うた国民投票が1999年に行われました。しかし、投票結果は54.87%が共和制への移行に反対を投じ、共和制の実現には至っていません。

エリザベス女王は「君臨すれども統治せず」

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カナダやオーストラリアは、国家主席としてエリザベス女王を君主としていますが、その政治運営や外交など、まったく自由な独立国です。カナダをはじめとする英連邦諸国は、王は同じでも、イギリスとはまったく違う国なのです。

日本の天皇もそうですが、イギリスの女王も「君臨すれど統治せず」を原則としていて、基本的には、儀礼的な国事行為を行う存在となっています。

ただ、完全な独立国と言っても、英連邦の国々の中では、国家間で渡航や移民などの優遇処置が講じられている国々もあります。しかし、それも時の情勢とともに変化しているようです。

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